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大河ドラマ1979年 草燃える [鎌倉]

「草燃える」は、1979年のNHK大河ドラマ。

この間BS歴史館/北条一族の陰謀を書いたけど、そこに出演されていた石坂浩二さんが源頼朝を演じてらした。以来、頼朝というと石坂さんの顔を思い浮かべる人は日本に多数いるはず。

源義経が国広富之、北条政子が岩下志麻、北条義時が松平健で、義時といえば松平健という人もかなり多いのではないかと想像。松平健さんは暴れん坊将軍のイメージの方が濃くなったかもしれないけど、草燃えるの時分の、颯爽とした、みずみずしくも強くたくましい、ああ坂東の武者とはこのような男だったのかといった感じをご記憶の方も多いだろう。(あとでDVDからキャプチャして良い絵を貼りたい。)

wiki「草燃える


大河ドラマ 草燃える 総集編 全3枚セット【NHKスクエア限定商品】

大河ドラマ 草燃える 総集編 全3枚セット【NHKスクエア限定商品】

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2014
  • メディア: DVD



まったく個人的には、後鳥羽上皇役の尾上辰之助が素晴らしいと思った。後白河法皇役が実父二代目 尾上松緑で、このお二人が上で書いた坂東武者の世界と異なる世界を演じてらしてドラマをより一層深見のあるものにしていた。承久の乱まで描いた作品はおそらく今のところ他にないと思うので、尾上辰之助はひょっとしたら後鳥羽上皇を演じた唯一の役者さんとなるのだろうか。

尾上辰之助は、1983年の大河ドラマ「徳川家康」で伊達政宗を演じていたが、こちらはちょっとキャラが違うと思った。いずれにしても、私はこの人の声が好きなのでどういう役でもとにかく亡くなった今でも随意に聞けるドラマが残っていることがうれしい。





BS歴史館/北条一族の陰謀~史上最強のナンバー2~ [鎌倉]

鎌倉ミステリー
北条一族の陰謀~史上最強のナンバー2~


源頼朝が鎌倉幕府を打ち立てた時代。日本を動かしたのは、トップの将軍ではなく、ナンバー2だった! それが、北条政子で有名な北条一族。どうしてそんな事ができたのか? そこには、もともと弱小集団だったことから、状況を読み、先手先手で敵を滅ぼす前代未聞の策略があった。そして承久の乱。後鳥羽上皇の朝廷と激突! 幕府最大のピンチを救った、驚きの逆転の発想とは? 今に通じるナンバー2の知恵と魅力を徹底的に探る。

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■ 出演者:渡辺真理,石坂浩二、加来耕三、小林恭二

■ 放送日時: 2012年7月26日

■ 感想

鎌倉時代という時代は北条時代なんですよ、だって源氏はさっさと絶えてしまうんですから、と石坂さんが冒頭におっしゃっていたけど、そうなんですよ、それなのになぜだか北条氏そのものへの興味関心は全歴史を通してみた場合かなり低調ではなかろうか。

その代りに、さっさと倒れてしまうし、よーくよく見ると長い目で見ると大した活躍をしたとは言えない源氏の印象がとても強く設定されている。活躍したのは実質的には頼朝だけでそれ以降は足利尊氏に裏切られるまでずっと北条氏という史上最強のナンバー2が仕切っていったというのに。

番組内容の流れとしては、北条氏がナンバー2であることの有利さを駆使してうまく政治を動かしていったために、いやあまりにもうまく敵を倒していってしまったためにトップになってしまい、つまりナンバー2としての役割ができなくなって、回り中の敵を全部自分が引き受けていかなければならなくなったので滅んだのだ、というお後がよろしい風な話でまとめられていた。

■ 承久の乱

承久の乱というのが日本史上他にない乱だったということを出演者の方たちがありありと、生き生きとお話されていたところも面白かった。石坂浩二、加来耕三、小林恭二という頭の回転の速い人たちが頭をつきあわせてまるで作戦会議のように、北条義時の心情を推理していく様がよい。この速さは地上波では無理だろうね。

承久の乱は王権(社会学的用語として)に武士が挑むという点で日本史上非常に珍しい話。歴史家の今谷明氏は天皇家の権威がボトムになったのはこの承久の乱の時だという説を取ってらしたのを思い出す。

この本の中に権威のチャートみたいなのがあった。

武家と天皇―王権をめぐる相剋 (岩波新書)

武家と天皇―王権をめぐる相剋 (岩波新書)

  • 作者: 今谷 明
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1993/06/21
  • メディア: 新書


王権に弓をひくという決断をした義時について、これは西日本の人間だったら怖気づいたんじゃないか(石坂さん)、そうそうそして王権の怖さをまだ知らないわけ(小林さん)といった掛け合いもなるほどと思った。

王権に弓をひくといえば、戦前には足利氏が後醍醐天皇に逆らったことから逆賊扱いされて栃木県の足利市の人まで冗談にせよ逆賊、国賊と言われたという話を聞くんだけど、承久の乱における北条氏の方がもっと劇的に王権に対する反逆だと思うんだけど、こっちはどうだっんだろう。

たぶん、幕末の志士はここまで理解していなかったんだろうと思う。幕末の志士の日本史の知識はかなり限定的で、単純に頼山陽の「日本外史」ぐらいしか知らない人も多数いたらしい。世の中そんなもの。


日本外史 上 (岩波文庫 黄 231-1)

日本外史 上 (岩波文庫 黄 231-1)

  • 作者: 頼 山陽
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1976/09/16
  • メディア: 文庫









太平記/大河ドラマ [鎌倉]

1991年のNHK大河ドラマは「太平記」だった。

この時代には国民的に日曜午後8時は大河ドラマ、という定番がだいぶ壊れてきたとはいえそれでもまだ堅固に確立されていた。とはいえ「太平記」は日本の歴史にとって、とりわけ戦前の歴史観にとっては不都合なもの、あるいはそういう解釈もあるため、なかなかドラマ化できなかったという話だった。

しかし、今考えてみるに、この時代に撮ってて本当によかった。衣装やセット、撮影もいいし、いろいろお金がかかっていると思う。バブルがもたらした最良のものは「太平記」かもしれない(笑)。

そして、お金で解決できないのは俳優さんの質。なんというかああ日本だ~という俳優さんばかりだった最後の時代かもしれない。いや別に日本人か外国人かというのではなくて、日本人がそもそも何かとっても変わってしまったのだ。今映像に出ている俳優さんたちでこのドラマのこの迫力、テンションが作れるとは思えない。

このドラマについては書きたいことが多すぎて何から書いていいかわからない。そう、私としてはNHK大河ドラマのナンバー1はこれ以外にないと思い続けて幾星霜という感じのドラマ。まだDVDなんてものがない時分にビデオで発売してくれとNHKにリクエストしたこともあった。そこから、ついにDVDが出た時にはそれは総集編だった。喜んで購入したのは言うまでもない。それからいくばくかして全編が発売になった。本当にうれしかった。

いずれまた何か書くけど、とりあえず早くエントリーしたかった。これがないと心棒がないようだわ、と思ったので。


大河ドラマ 太平記 完全版 第壱集 DVD-BOX 全7枚セット

大河ドラマ 太平記 完全版 第壱集 DVD-BOX 全7枚セット

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2014
  • メディア: DVD



大河ドラマとしては珍しいことに、「太平記」は総集編でも話が理解できるよい仕立てになっている。やはり基本の流れがしっかりしている上に脚本が素晴らしいからなのだろうと思う。


NHK大河ドラマ総集編DVD 太平記 3枚組

NHK大河ドラマ総集編DVD 太平記 3枚組

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD






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