BS歴史館/北条一族の陰謀~史上最強のナンバー2~ [鎌倉]
鎌倉ミステリー
■ 出演者:渡辺真理,石坂浩二、加来耕三、小林恭二
■ 放送日時: 2012年7月26日
■ 感想
鎌倉時代という時代は北条時代なんですよ、だって源氏はさっさと絶えてしまうんですから、と石坂さんが冒頭におっしゃっていたけど、そうなんですよ、それなのになぜだか北条氏そのものへの興味関心は全歴史を通してみた場合かなり低調ではなかろうか。
その代りに、さっさと倒れてしまうし、よーくよく見ると長い目で見ると大した活躍をしたとは言えない源氏の印象がとても強く設定されている。活躍したのは実質的には頼朝だけでそれ以降は足利尊氏に裏切られるまでずっと北条氏という史上最強のナンバー2が仕切っていったというのに。
番組内容の流れとしては、北条氏がナンバー2であることの有利さを駆使してうまく政治を動かしていったために、いやあまりにもうまく敵を倒していってしまったためにトップになってしまい、つまりナンバー2としての役割ができなくなって、回り中の敵を全部自分が引き受けていかなければならなくなったので滅んだのだ、というお後がよろしい風な話でまとめられていた。
■ 承久の乱
承久の乱というのが日本史上他にない乱だったということを出演者の方たちがありありと、生き生きとお話されていたところも面白かった。石坂浩二、加来耕三、小林恭二という頭の回転の速い人たちが頭をつきあわせてまるで作戦会議のように、北条義時の心情を推理していく様がよい。この速さは地上波では無理だろうね。
承久の乱は王権(社会学的用語として)に武士が挑むという点で日本史上非常に珍しい話。歴史家の今谷明氏は天皇家の権威がボトムになったのはこの承久の乱の時だという説を取ってらしたのを思い出す。
この本の中に権威のチャートみたいなのがあった。
王権に弓をひくという決断をした義時について、これは西日本の人間だったら怖気づいたんじゃないか(石坂さん)、そうそうそして王権の怖さをまだ知らないわけ(小林さん)といった掛け合いもなるほどと思った。
王権に弓をひくといえば、戦前には足利氏が後醍醐天皇に逆らったことから逆賊扱いされて栃木県の足利市の人まで冗談にせよ逆賊、国賊と言われたという話を聞くんだけど、承久の乱における北条氏の方がもっと劇的に王権に対する反逆だと思うんだけど、こっちはどうだっんだろう。
たぶん、幕末の志士はここまで理解していなかったんだろうと思う。幕末の志士の日本史の知識はかなり限定的で、単純に頼山陽の「日本外史」ぐらいしか知らない人も多数いたらしい。世の中そんなもの。
北条一族の陰謀~史上最強のナンバー2~
源頼朝が鎌倉幕府を打ち立てた時代。日本を動かしたのは、トップの将軍ではなく、ナンバー2だった! それが、北条政子で有名な北条一族。どうしてそんな事ができたのか? そこには、もともと弱小集団だったことから、状況を読み、先手先手で敵を滅ぼす前代未聞の策略があった。そして承久の乱。後鳥羽上皇の朝廷と激突! 幕府最大のピンチを救った、驚きの逆転の発想とは? 今に通じるナンバー2の知恵と魅力を徹底的に探る。
■ 出演者:渡辺真理,石坂浩二、加来耕三、小林恭二
■ 放送日時: 2012年7月26日
■ 感想
鎌倉時代という時代は北条時代なんですよ、だって源氏はさっさと絶えてしまうんですから、と石坂さんが冒頭におっしゃっていたけど、そうなんですよ、それなのになぜだか北条氏そのものへの興味関心は全歴史を通してみた場合かなり低調ではなかろうか。
その代りに、さっさと倒れてしまうし、よーくよく見ると長い目で見ると大した活躍をしたとは言えない源氏の印象がとても強く設定されている。活躍したのは実質的には頼朝だけでそれ以降は足利尊氏に裏切られるまでずっと北条氏という史上最強のナンバー2が仕切っていったというのに。
番組内容の流れとしては、北条氏がナンバー2であることの有利さを駆使してうまく政治を動かしていったために、いやあまりにもうまく敵を倒していってしまったためにトップになってしまい、つまりナンバー2としての役割ができなくなって、回り中の敵を全部自分が引き受けていかなければならなくなったので滅んだのだ、というお後がよろしい風な話でまとめられていた。
■ 承久の乱
承久の乱というのが日本史上他にない乱だったということを出演者の方たちがありありと、生き生きとお話されていたところも面白かった。石坂浩二、加来耕三、小林恭二という頭の回転の速い人たちが頭をつきあわせてまるで作戦会議のように、北条義時の心情を推理していく様がよい。この速さは地上波では無理だろうね。
承久の乱は王権(社会学的用語として)に武士が挑むという点で日本史上非常に珍しい話。歴史家の今谷明氏は天皇家の権威がボトムになったのはこの承久の乱の時だという説を取ってらしたのを思い出す。
この本の中に権威のチャートみたいなのがあった。
王権に弓をひくという決断をした義時について、これは西日本の人間だったら怖気づいたんじゃないか(石坂さん)、そうそうそして王権の怖さをまだ知らないわけ(小林さん)といった掛け合いもなるほどと思った。
王権に弓をひくといえば、戦前には足利氏が後醍醐天皇に逆らったことから逆賊扱いされて栃木県の足利市の人まで冗談にせよ逆賊、国賊と言われたという話を聞くんだけど、承久の乱における北条氏の方がもっと劇的に王権に対する反逆だと思うんだけど、こっちはどうだっんだろう。
たぶん、幕末の志士はここまで理解していなかったんだろうと思う。幕末の志士の日本史の知識はかなり限定的で、単純に頼山陽の「日本外史」ぐらいしか知らない人も多数いたらしい。世の中そんなもの。
2015-05-18 10:00
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